岩波文庫『イソップ寓話集』145番より
ライオンが波打ち際をうろついていると、海豚が顔を出すのが見えたので、同盟を結ぼうと誘いかけた。そちらは海の生き物の王、こちらは陸の動物の王で、2人が友となり味方となるのは最適だ、というのである。
海豚は喜んで同意したが、ライオンは程なく野牛と一戦交えることとなり、海豚に加勢を求めた。ところが、海豚が海から上がろうとしてできないでいるので、ライオンが裏切り者呼ばわりしたところ、答えて言うには
「僕じゃなくて自然に文句を言ってくれ。自然が僕を海のものに造り、陸に上がらせてくれないのだ。」
そこで我々も、友情を結ぶにあたっては、危急の時に側にいてくれることのできる者を選ぶべきである。
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