top of page

山伏山をめぐる攻防

能登半島最先端珠洲岬(三崎町寺家金剛崎)。この突端で外浦、内浦が分かれる。2年5ヵ月前の強烈な地震によって、外浦側で隆起、内浦側で沈降が起きた。明治初期、この地に「珠洲岬灯台計画」が持ち上がった。けれども、寺家の漁師の猛反対により、狼煙町の禄剛埼灯台(明治16年【1883】7月10日初灯)へと計画変更された。その後、灯台を建てたにもかかわらず海難事故が続出した。補う形で三崎町寺家遭崎沖の姫島礁に灯台(昭和27年【1952】7月12日初灯)が造られた(石川県最東端、姫島、神島、鬼島)。石川高等専門学校熊澤栄二教授の調査では、原・須須神社鎮座地とされる、この最先端珠洲岬が、平成21年(2009)9月9日から「聖域の岬」として再び注目を集めている。

その背後に、標高184mの山伏山があり、山頂付近に、須須神社奥宮(約2100年前に創建)が鎮座する(かつて境界が揺れ動いたが現在狼煙地内)。珠洲原住民の9割が登ったことのない、この低山が近年俄かに注目を集め始めた。いわゆる「スピリチュアル系」に大人気である。漫画家、美内すずえ氏が平成17年(2005)8月に登り、出雲出身、福岡県立大学岡本雅享教授が「奥宮こそがミホススミを祀る社である」と主張した(『出雲を原郷とする人々』平成28年【2016】)。人それぞれきっかけは様々だろうが、平成末期から「奥宮詣で」が増えたことは確かである。地震禍を経て、さらに増えた(令和5年【2023】5月25日、令和6年【2024】4月28日、北陸中日新聞記事)。「奥宮参道の一区域を壊して県道バイパスを通したせいで(令和4年【2022】1月開通)神様が怒って地震を起こした」と信じる人達もやって来ている。神は沈黙を続け神職は見て見ぬふりをし原住民は無知であるが、外部者はアグレッシブである。

平成28年(2016)11月、「金沢・現代会議」において、評論家寺島実郎氏は「約400年ぶりに再び宗教の時代がやって来る」と予言した。確かにそうなりつつある。いわば、「スピリチュアルの時代」である。


※6月11日発刊「加能人 6月号」コラム「のともん便り」原稿




 
 
 

コメント


bottom of page