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「祭り」と「ゆとり」 前編

平成の初め、タレントの浜田雅功さんに子供が産まれ、『未乗(みのり)』と名付けたと報道された。


コメンテーターが、

「『未来に乗る』という意味で名付けたようだが、漢文読みだと『乗らず』になってしまう」と言っていた。

その頃は、(その程度なら)漢文が読めるのが「普通」だった。


30年経って、令和の世になると、

大門『未知子』がドラマの主役を張るようになった。

『知らない子』という意味になっているのに、視聴者は違和感を感じなくなってしまった。

中学で習う初歩的漢文力さえ失われてしまったのだ。


明らかに、「ゆとり教育」は、失策だった。


日本人が日本語を読めない時代がやって来た。

表意文字である漢字を表音文字として使用して、『キラキラネーム』も生まれ、結果、日本語なのに、読めないのが「普通」になった。



9月下旬、

Facebook「能登応援団」で、寺家在住者が、

4本のキリコ題字(楷書)について、メンバーに質問した。

「なんと書いてあるか分かりますか?」


(寺家に来たことのない)七尾の女性が正しく読んだ。


崩し字で書いたものでない限り、中学高校で習う基礎的漢文の知識があれば、本来誰でも読める。

キラキラネームのように、名付け親しか読めないという類いのものでは、本来ない。

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