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七夕キリコ祭りとは何か?

毎年8月7日は、七夕キリコ祭りである。

現在珠洲市内のみで行われている。

輪島市も、鳳珠郡も行っていない。


子供の頃から、疑問だった。

①なぜ七夕なのに、キリコが出るのか?

②なぜ7月7日ではなく、8月7日なのか?

③なぜ子供のみの祭りなのか?


誰に聞いても分からない。

当時、「疑問に思うこと」を、むしろ大人に不思議がられた。


自力で、調べたり考えたりしたが、①がよく分からなかった。


10年近く前、民俗学者の西山先生にお聞きして、一気に氷解した。



①もともと、「盆の入り」を祝う行事だった。

故に初期はキリコは出なかった。

そのうち、「キリコ愛の強さから」キリコも担ぎ出すようになった。

仏教行事ではあったが、明治元年以前は、「神仏習合」であったため、矛盾しない。


さらに時代が下ると、

「盆の入り」を祝うという意識が薄れた。

けれども、「キリコを出したい」という気持ちは残っていた。

そこで、「盆の入り」に近い「七夕」を祝う行事として定着した。

もともと仏教由来の行事であったため、現在、神社はタッチしていない。


②明治6年、現在の新暦が使われ出した。

その際、「新暦7月7日」に変更せず、「旧暦7月7日」(明治5年以前の七夕)に日の近い「新暦8月7日」に固定した。おかげで雨は降らない(新暦七夕は梅雨時期)。


③本来、子供行事ではなかった。戦後、小中学生の行事として一般化しただけである。

故に、「珠洲まつり」の一つに位置付けられていることもあるが、

宝立町では大人が担いでいる。


他地域に波及しなかったのか、続かなかったのか、

そもそも珠洲郡内が発祥かも分からないが、ともかく珠洲市内のみに現在も残っている。


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